ギフチョウの不思議

蝶談会の嵯峨井様よりのお便り。

何故にギフチョウはこれ程に人気があるのか?
俗説ですが、産地によってギフチョウの顔が違います。確かに違います。前後翅の黄・黒色斑紋の現れ方によることによります。野外採集品よりこのギフは、「岐阜谷汲産」「金沢産」「岡山産」「広島産」「神奈川産」・・・・・・と、地域の湿度・温度差、降雪の有無、環境差、等々により顔が違うことにより集中採集されることになります。また、リュードルフィア・ライン周辺にヒメギフと混生することによる、自然雑種、前後翅の周辺に黄色い毛が現れる、いわゆるイエローバンド型、等々他種にない種々諸々の変異が人気のバロメーターに繋がるのでしょう。

故に、「ギフチョウ88ケ所」なる採集地案内本も発行されたりして、人気を煽ることにもなる訳です。同本に掲載された各県の代表産地は現状、惨憺たることになっているようです。
ちなみに同本の石川県のコーナーは、M氏が、第一発見者の了解を得て執筆したものですが、現地は、山の出入り口2箇所に鎖がかけられている現状です。つまり関東・関西からの採集人が大挙おしよせたことにより現地の地主のとった防衛策、山菜や栽培しいたけをついでに泥棒するムシヤ対策でしょう。全国いずれのギフ産地もほとんどこれと同様の措置が現地の地主により執られているようです。

ヒメギフチョウはなぜか、ギフのような地域変異は無いようです。せいぜい、エゾヒメギフ(北海道産)との差が有る程度のようです。